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国債投資と手数料・コスト

国債に投資する上で手数料などのコストは発生するのでしょうか?ここでは、国債の購入から途中売却(解約)、満期の際に必要となる手数料についてそれぞれの種類別説明します。国債の新規買い付けの手数料、途中売却、解約時の手数料、経過利息の受け取り(支払い)など難解な債券(国債)の手数料について勉強しましょう。

新規に国債を買う時の手数料は無料?

基本的に「債券」が発行されてそれを買う時「手数料はかかりません」。正確には手数料は発行体が負担しており、投資家は購入時に手数料を払う必要がないという形になります。

というのも、国債以外のすべての債券がそうなのですが、債券(国債)を新しく発行するとき、債券を発行する発行体(国債の場合は国)は債券の販売を証券会社などに一旦引き受けてもらって、それを証券会社などが投資家に販売する形になるのです。
そのときに、証券会社は国(発行体)から一定の手数料分を差し引いた形で引き受けています。そしてそれを額面(普通の債券の場合は100円)で投資家に販売することで利益を得るわけです。

図にしてみると下のような関係となります。

「国」⇒国債(99.5円で販売)⇒「証券会社」⇒国債(100円で販売)⇒「投資家」

もちろん、100円で発行された国債は償還時には額面である100円で償還されるので、損はありません。また、販売する証券会社もわずかではありますが、「販売することによる手数小収入を得る」ことができます。
国債のような債券の発行手数料はすべて「発行体が負担」しているのです。

ちなみに、この仕組みは「株式の売り出し・増資」などの株式投資の場面でも利用されています。

 

既発債を買う場合、保有する国債を売る(市場で売却する)場合

債券の売買手数料について、発行体が負担してくれるのは「発行時」のみです。投資した国債を途中で換金したい場合(売却したい場合)や、市場で販売されている国債を購入する場合には手数料が必要です。
売買手数料については取引を取り次ぎする証券会社によって異なります。
(参考:既発債とは

ただし、多くの証券会社では、債券の売買を「市場」で行うのではなく、店頭取引(証券会社自身が取引相手となって売買をする)のが一般的です。店頭取引の場合は、証券会社が市場価格に取引コストを上乗せした形で販売することが多く、傍目には手数料がかかっていないように見えます。
(たとえばおなじ国債が市場で95円で販売されている場合、この債券を買いたいという投資家には手数料を上乗せして95.5円で売り、売りたいという投資家には手数料を上乗せして94.5円で買い取るといった形。その差額が証券会社の既発債の売買収入となります。)

 

個人向け国債を途中で解約するときにかかる手数料

一般の国債や債券は途中で現金化したい場合は、証券会社や市場で売却する必要がありますが、「個人向け国債」の場合は異なります。個人向け国債は市場で売却せずに一定の期間がすぎるといつでも「解約できる」ようになっていますが、無料でできるわけではありません。

個人向け国債の途中解約時には「中途換金調整額」という手数料が必要になります。

中途換金調整額
中途換金調整額(ちゅうとかんきんちょうせいがく)とは、日本国政府の発行する「個人向け国債」における中途解約の際に発生する調整金額のこと。個人向け国債は、他の債券にはない「解約」ということが可能になっているが、満期前に解約する場合に発生する調整額のこと。

この中途換金調整額は10年変動国債の場合「過去2回分(1年分)の税引き後金利)」となっています。具体的にどういうことかを見ていきます。

100万円の個人向け国債に投資をしているとします。この個人向け国債の金利は年1%だとします(簡略化のため金利は固定)。
この個人向け国債では半年に一度「5000円(利息分)-1000円(税金)=4000円(税引き後の利息)」の利息を受け取ることになります。(国債の税金に関しては「国債と税金」をご参照下さい)

半年後:4000円
1年後:4000円
1.5年後:4000円
2年後:4000円

といった具合で利息を受け取ります。

この個人向け国債を2年目の利息受け取り日に解約した場合には、過去2回分である「1.5年後に受け取った利息」と「2年後に受け取った利息」である合計8000円を中途換金調整額(手数料)として支払う必要があります。手数料は元本である投資額100万円から差し引かれますので、解約時には中途換金調整額を差し引いた「992,000円」を受け取ることになります。

 

中途解約や途中売却、購入時に発生する「経過利息」という考え方

債券投資では「経過利息」という利息が存在します。これは「債券の利払い日と利払い日の間の期間」を調整する利息です。国債は「たとえば毎年3月と9月の20日に利払いが行われる」といったように年2回の利払い日があります(割引国債を除く)。

具体的には、3月20日~9月19日までの利息を「9月20日」に受け取り、9月20日~翌3月19日までの利息を「3月20日」に受け取るのです。

では、たとえば「6月20日」に持っている債券を売った(個人向け国債の場合は解約した)場合を考えてみましょう。この投資家は利息計算期間である3月20日~6月20日までの間この債券を「保有」しています。
しかし、9月20日の利払い日にその期間の利息を受け取ることができません。

この差を調整するのが「経過利息」です。具体的には経過日数に応じて利息相当を受け取ることができます。
この場合3月20日~6月20日までの間(片落ち)である92日分の利息を受け取るわけです。
仮にこの国債の金利が年3%の場合、3%÷365日×92日×0.8(税金調整分)=0.604%分が「経過利息」となるわけです。

市場で売却する国債の場合は「買い手が売り手に対して経過利息を支払います」。買い手が存在しない(解約される)個人向け国債の場合「国が売り手に対して経過利息を支払います」。

この経過利息という概念は債券では一般的なもので、利息の発生する債券であれば発生します(割引債の場合は価格に反映されるので経過利息はありません)。


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